海外マーケティングの成否を分けるローカライゼーション

ビジネス展開の成否を分ける海外マーケティングの重要ポイントを解説いたします。

Posted By Junko Sasaki

海外市場をターゲットとしたビジネス展開は、将来を見据えた重要な企業戦略となるため、様々な手法を活用した海外マーケティングへの関心が高まっています。日本の少子高齢化やDX(デジタルトランスフォーメーション)による時代の変革に伴い、海外進出という喫緊の課題に頭を抱えている企業も少なくないのではないでしょうか。ビジネス展開の成否を分けると言っても過言ではない海外マーケティングの重要ポイントや、現地のニーズに対応したローカライゼーションについて分かりやすく解説いたします。

目次

  1. 今、必要とされる海外マーケティングとは?
  2. 海外WEBマーケティングを成功に導くネイティブ視点のローカライゼーション
  3. 海外進出に欠かせない準備の2ステップマーケティング
  4. 海外マーケティングの成功事例に共通する施策と戦略
  5. 海外マーケティングをアウトソーシングする重要性

 

今、必要とされる海外マーケティングとは?

海外在住の消費者や企業、訪日観光客を対象に商品やサービスを販売するための市場調査や価値定義、プロモーション戦略立案などを行う海外マーケティング少子化により2050年には日本の人口は1億人を下回ると予測されており、将来的な国内市場の縮小は統計的にも明らかなことから、数十年先を見据え、海外市場へのビジネス展開は企業の最優先事項の1つと捉えられています。また、従前から課題とされていたデジタル化が新型コロナウイルスの感染拡大により加速したことで、海外進出日系企業も「非対面型・非接触型」のビジネスモデルへシフトしているというデータも確認できています。これらの点から、デジタルを軸とした海外WEBマーケティングの施策に注力することが今後、生き残る鍵となってくると考えられます。

海外マーケティングを成功に導くネイティブ視点のローカライゼーション

海外マーケティングでローカライズ視点に立ったグローバルサイトを見ているユーザー

海外進出におけるマーケティングの要とも言えるローカライゼーション。文化や歴史、言語の違うユーザーは、私たちとは全く異なる”当たり前”の価値観を持ち合わせています。海外進出におけるマーケティングでは、その”当たり前”を理解し、現地ユーザーのニーズに適応させることが必須となってきます。具体例として、グローバルサイト制作プロセスでのローカライゼーションが挙げられます。昨今のグローバル化に伴い、多言語対応のWEBサイト制作を進める企業が増え、日本語コンテンツをそのまま翻訳し、英語サイトとして公開しているケースが多く見られるようになりました。しかし、これは長期的な視点ではおすすめできない手法です。WEBサイトは、現地のユーザーが好むUX/UIが顕著に反映されるため、対象国のトレンドとなるインタラクティブコンテンツを理解し、実装することでコンバージョンやエンゲージメントの向上が実現可能となります。トップページの画像やメインコピー、CTAの位置やフォントスペースなど、ユーザーの嗜好やライフスタイルを分析し、どのようなトレンドを求めているのかを客観的視点を持って判断していくローカライゼーションが、海外マーケティングの成否を分ける鍵となってくるでしょう。また、web広告を海外に発信する場合も例外ではありません。興味がある方はぜひそちらも合わせてご覧ください。

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海外進出に欠かせない準備の2ステップマーケティング

ターゲット国の市場調査

ローカライゼーションに欠かせない市場調査。商品やサービスに対する消費者ニーズが全く異なるからこそ、”相手を知る”ための海外市場調査でマーケティング戦略も大きく変わってきます。このプロセスを通し、ターゲットとなる対象国の習慣やトレンド市場を本質的に理解することで、初めて現地のユーザー視点に立つことができるからこそ、時間をかけて高精度な調査と分析を行うことが重要となります。また、現地での競合他社・商品・サービスの調査をもとにブランドマッピング(ポジショニング)を作成することで、自社がターゲット国でどの位置にいるのか、どのような違いを出して訴求すれば良いのかが明確になります。海外マーケティングの基礎となる市場調査は、戦略の根幹となるプロセスであり本質的な要素の抽出が必要となるため、ネイティブ視点の分析・インサイトが欠かせません。

海外マーケティングサポートプロジェクトでのブランドポジショニングマップの例

海外マーケティングサポートプロジェクトでのブランドポジショニングマップの例

WHO・WHAT・HOWによる商品・サービスの価値定義

市場調査と並行して行う商品・サービスの価値定義。対象国の市場を理解すると同時に、ターゲットユーザーの精度を上げたペルソナを明確化することで、”誰に”に当たる”WHO”を定義します。そこからペルソナが抱える悩み(ペインポイント)を導き出し、商品・サービスのどのような要素がその悩みを解決し、ベネフィットをもたらすのかという”WHAT”を抽出します。”HOW”はどうやって商品・サービスをユーザーに知ってもらうかの手段を考案する肝心なパートであり、4Pなどの要素も持ち合わせています。この価値定義プロセスはデザイン思考やバリュープロポジションキャンバス(VPC)の手法を用いて、ペルソナ起点で商品・サービスの特性を活かし、多角的な視点でWHO・WHAT・HOWを言語化していきます。市場調査と合わせた価値定義プロセスは、海外マーケティングの施策の土台となる重要な要素となるため、正確性の高いアウトプットをお勧めします。どんなに良い商品も、他にはないサービスも、戦略の質が低ければ、海外進出も失敗に終わってしまうのです。マーケティングのフレームワークは世界共通ですが、具体的なプランニングは対象国のユーザー視点を深く理解し、戦略に落とし込んでいくことが不可欠となります。WHO・WHAT・HOWによる商品・サービスの価値定義はブランディング戦略にも直結するため、現地のニーズに沿った、より精度の高いコミュニケーションプランを策定することも可能となります。

海外マーケティングの成功事例に共通する施策と戦略

現地のUX/UIに特化したグローバルサイト制作

では、具体的にどのような海外マーケティングの施策があるのでしょうか?まずは大前提でもあり、ローカライゼーションパートでも前述したグローバルサイト制作です。WEBサイトは、商品やサービスだけでなく企業としてのブランディングやプロモーションを実施する上で情報発信を行う重要なコミュニケーションツールです。デジタル化により、ユーザーが知りたい情報をGoogleなどのプラットホームで検索できる時代だからこそ、WEBサイトには興味を引くデザインと、共感させるコピーやコンテンツが欠かせません。インバウンド集客を目的としたアパホテル様の事例では、ブランドのイメージカラーで統一感を保ちつつ、ホテル予約への行動喚起を促すためのCTAコピーの最適化や、ホテルレビューのコンテンツをサイト内に掲載することで、ブランディングとコンバージョンのバランスを取った英語版サイトが実現しました。ネイティブユーザー目線のサイト設計で自然な導線を作り、訪日外国人観光客に寄り添ったグローバルサイトになりました。この事例から読み解くポイントは、UX/UIデザインにおける徹底したカスタマージャーニーマップです。ユーザーにとって最大のペインポイントであった”日本の地理に不慣れである”という点に着目し、インタラクティブな国内マップを追加することで「行きたい場所を簡単に探し出せる」という解決策を導き出しました。ユーザー目線を”とことん”考えるにはネイティブ視点が不可欠であり、UX/UIデザインへローカライズ戦略として落とし込むことが海外ビジネス展開の要所となります。

アパホテルの海外マーケティング施策の一つであるグローバルサイト制作

アパホテルの海外マーケティング施策の一つであるグローバルサイトのデザイン

ユーザー検索意図に重点を置いた海外SEO対策

海外マーケティングにおいて欠かせない施策がSEO対策です。対象国の言語を使うユーザーがGoogleで検索しているキーワードを戦略的にリスト化し、検索意図に沿ったコンテンツをWEBサイトに掲載することで検索結果の上位にランクインさせるSEOは、自然検索でのサイト集客が可能となるため、海外進出では外せない施策と言えるでしょう。東京都内の高級賃貸・販売マンションを中心に取り扱う総合不動産会社ハウジング・ジャパン様の英語SEOプロジェクトの事例では、ターゲットとなる外国人富裕層の投資家や個人の検索需要や意図を徹底的に調査・分析し、クラスター・キーワード戦略を立案しました。戦略に沿った毎月のSEOコンテンツ作成やテクニカルSEOの実装により、WEBサイトへの自然検索数が施策前と比べて+17.8%となり、お問い合わせ件数の増加や最終的な賃貸・購入というコンバージョンに寄与しました。この英語SEOプロジェクトが成功へ導いた要因として、”精度の高い検索キーワード”のリスト化が挙げられます。検索意図の分析・インサイトをもとに、ターゲットユーザーが検索しているキーワードを選定していく客観的かつ戦略的なプロセスこそが、質の高い海外SEO対策を可能にしたのです。海外マーケティングで一貫して重要とされている現地ユーザー起点のニーズや意図を見抜くことが、ユーザー獲得に直結した事例と言えるでしょう。

 

海外マーケティングをアウトソーシングする重要性

海外進出は企業にとっても大きなチャンスとなるからこそ、専門的な知識とネイティブ視点でのマーケティング戦略が必要でなり、重要なファーストステップに万全を期すために海外マーケティングをアウトソーシングする企業は少なくありません。海外市場への販路拡大を成功させることは、長期的な企業利益にも直結します。言語や文化の異なる市場への重大な挑戦には、現地視点での戦略立案とローカライゼーションの実績を持つプロフェッショナルチームへのアウトソーシングが最善の策だと言えるでしょう。

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