海外向けFacebookの戦略〜効果的な運用方法を大公開!

海外向けのFacebookの戦略や効果的な運用について解説いたします。

Posted By Junko Sasaki

世界のSNS利用者は45.5億人を超え、海外市場をターゲットとしたマーケティング施策にとってSNSは欠かせないプラットホームになっています。その中でもFacebookは幅広いユーザー層を抱え、時代の変化と共に様々な機能が追加されています。言語の違う海外ユーザーの共感を得るには、異なる文化や習慣を反映したローカライズされたコンテンツが必要です。今回は、海外向けのFacebookの戦略や効果的な運用について解説いたします。

目次

  1. 海外におけるFacebookの利用数と最新トレンド機能
  2. 海外向けFacebook戦略・運用における3つのポイント
  3. 効果的な海外向けFacebook広告の運用ポイントとは?

 

海外におけるFacebookの利用数と最新トレンド機能

メディア・一般・企業に向けたコンテンツを発信

全世界のFacebookユーザー数は、2021年10月時点で約29.1億人で、なだらかではありますが増加し続けています。地域別の内訳は、アメリカ&カナダが2.6100億人(9%)、ヨーロッパが4.2300億人(15%)、アジア圏が12.7800億人(44%)、その他の地域が9.4900億人(33%)で、アジアでの利用が半分近く占めていること、そして他の地域に比べ成長率が高いことが窺えます。
地域別の全人口に対する利用率の割合は、アメリカ&カナダは約71%(人口:約3.675億人**世界銀行参照)、ヨーロッパは約58%(人口:約7.300億人**国勢調査参照)、アジア圏は約34%(人口:約37.200億人**国勢調査参照)と、地域によって割合に少しの差が見られますが、アメリカ&カナダやヨーロッパは全人口に対し半数以上がFacebookを利用していることが確認できます。
企業にとって国外の顧客を獲得していくためのFacebookを活用したPRやマーケティング、集客販売は、海外進出事業の成否を分けるといっても過言ではない程重要な戦略手段であり、海外の巨大な市場をリードするには欠かせない要素となってきています。

世界のFacebook月間アクティブユーザー(月に1回以上利用や活動があったユーザー)数データ

世界のFacebook月間アクティブユーザーデータ| 参照:Facebook Q3 2021 Earnings

海外向けのFacebook最新トレンド機能とは?

新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の消費行動は大きく変わりました。ニューノーマルな生活様式では、店舗での買い物から自宅で簡単に行えるオンラインショッピングへと移行する傾向が強まっています。コロナの影響によりコミュニケーションの機会が限定的になっている中で、Facebookは、オンライン上での体験をアップデートしており、オンラインショッピング等の機能を充実させています。このオンラインショッピング機能では、無料で簡単にFacebook上にオンラインショップを開設、プラットフォーム上の海外ユーザー向けにデジタルで販促を行うことが可能です。また、Facebook等のSNS情報をきっかけにオンラインショッピングを初めて体験する方も増えているため、幅広い層にリーチする”認知”を目的とした運用手法も存在します。
ユーザーの購買プロセスである、認知→興味→比較・検討→行動の段階に合った戦略をFacebookの機能を使って展開していくことで、プラットフォーム内のユーザーのエンゲージメントを高めつつ、購買に結びつけることができます。海外という大きな市場を狙うには、Facebookの最新機能をいち早く知り、すぐに活用していくことが成功の鍵となってくるでしょう。

海外向けFacebook戦略・運用における3つのポイント

海外ユーザー向けのFacebook広告で購入した靴が家に届けられた様子

海外ユーザーの心をつかむ、Facebook広告の詳細なターゲット設定

Facebook広告は、対象となる海外ユーザーのいる地域だけでなく、趣味嗜好、興味・関心、ビジネス・業界、アクティビティなど、ペルソナ(分析による詳細なターゲットの人物像)によるセグメント設定があることが魅力の一つです。自社の商品やサービスを知ってもらいたい海外のターゲットユーザーに向けて広告コンテンツを発信することにより、購買機会を掴む、もしくは購買意欲を育てることが可能となります。例えば、アパレル関連の商材を海外ユーザーに向けて認知拡大させたい場合、興味・関心の「買い物・ファッション」カテゴリーを選択し、以下の詳細なセグメントを設定することが可能です。(Meta for Business参照)

  • ショッピング:オンラインショッピング、クーポン、ショッピングモール、ディスカウントストア、ブティック、ラグジュアリー商品
  • ファッションアクセサリー:サングラス、ジュエリー、ドレス、ハンドバッグ
  • 美容:スパ、タトゥー、ヘアケア製品、化粧品、美容院、香水
  • 衣料品:レディース服、子供服、紳士服、靴

また、ターゲットユーザーが関心のあるブランド名やメーカー名を設定し、広告配信することでより鋭くダイレクトにセグメントされたペルソナへ向けてコンテンツを発信することができます。これにより、さらに感度の高い見込み客へ向けて宣伝を行うことができます。海外は日本と違い、趣味や嗜好も異なるため、対象となるユーザーのペルソナを分析し、明確にした上で、Facebook広告の詳細なターゲット設定を行うことをおすすめします。
デジタルを活用し、海外での機会を獲得していくために、Facebook広告は欠かせず、その機能であるターゲット設定を有効活用することで、より精密なユーザーデータを蓄積していくことにも繋がるでしょう。

海外向けにローカライズされたFacebook投稿運用


ターゲットとなる海外ユーザーの視点に立ったメッセージ(ローカライゼーション)は、海外進出におけるマーケティング戦略で欠かせない手法ですが、その中でもFacebookはユーザーにとって生活により近いプラットフォームだからこそ、その必要性はさらに高くなってきます。Facebookはウェブサイト内のコンテンツよりもカジュアルな内容で投稿できるからといって、自動翻訳などを使ってしまうと、海外ユーザーの受け手には機械的な意味だけが伝わってしまい、マーケティング戦略で肝心な”共感”の部分が削ぎ落とされてしまいます。だからこそFacebookコンテンツには、ターゲットとなる海外ユーザーのペルソナを分析・明確化し、自社の商品やサービスとの接点を抽出することで特徴を活かしたコンテンツを計画的に投稿するという運用が欠かせません
また、ペルソナの分析・明確化プロセスに欠かせない要素の一つとして”文化的背景の理解”が挙げられます。ターゲットとなる海外ユーザーの文化や習慣を理解したメッセージやビジュアルの作成は、”共感”構築において最重要の要素であり、最悪の場合タブーとなることもあるため、徹底した調査・分析が必要となります。ビジュアルに関しては、近年、FacebookをはじめとするSNSの他、様々なプラットフォームやメディアで動画や画像などを活用した訴求機会がますます多くなってきています。BBC Newsの中国でのブランド広告のビジュアルに対するSNS上での炎上問題についての記事では、中国の若年層の理解と異なるモデルイメージを使ってしまったためにバッシングを受け、最終的には広告を取り下げるという結果となってしまいました。一歩間違えると企業のブランドイメージを損なうことに繋がりかねないからこそ、海外でのタブーとなる要素などをしっかりと踏まえたFacebookの投稿コンテンツをプラン・作成・運用していくことが肝となってくるでしょう。
調査・分析プロセスで役立つツールとして、ターゲットとなる海外の対象国や業界別のトレンドを知ることができるInsights to Go(英語版)もあるので、ぜひ活用してみてください。

プル型(オーガニック投稿)・プッシュ型(広告配信)のFacebookマーケティング戦略

Facebookを活用し、ターゲットとなる海外ユーザーの興味を引き、購買意欲を掻き立てるためには戦略的なマーケティング手法が必須となります。代表的な手法として、プル型とプッシュ型の集客方法があり、これらを使い分けることで、海外ユーザーの行動やタイミングを先読みし、興味から購買へ繋げられることが可能になります。プル型・プッシュ型のマーケティング手法は以下となります。

  • プル型:プル型マーケティングの特徴は、売り手からリーチするのではなく、まずはユーザーに興味を持ってもらい、向こう側からアプローチをしてくれることを指します。プル型は、SEO対策のようなセールスメインのコンテンツではなく、ユーザーにとって必要な情報でリーチし、興味から購買へのプロセスを育み、時間をかけてコンバージョンに繋げます。Facebookでのプル型マーケティング手法は、コンテンツ戦略を組み込んだオーガニック投稿が挙げられます。Facebook広告とは違い、興味を引くようなメッセージやビジュアルを定期的に投稿することで、”気になる”という感情を芽生えさせることができます。
  • プッシュ型:プッシュ型のマーケティングは、プル型とは違い、ユーザーに”プッシュ”するようなセールス訴求で購買促進を行う手法を指します。プッシュ型は、PPC広告のように予算をかけ、詳細に設定したターゲットユーザーにリーチするため、より多くの人への認知拡大に繋がり、即効性があります。Facebookでのプッシュ型マーケティングは、Facebook広告が挙げられ、前述したペルソナのセグメント設定やタイミングに合わせてコンテンツを戦略的に発信・リーチできるため、効果的な手法であるといえます。

プル型・プッシュ型の手法をバランス良く取り入れた運用で、海外のターゲットユーザーの心理をコントロールし、購買へと導くことが可能となります。Facebookマーケティング戦略策定の例として、下図のユーザーの購買行動を示すマーケティングファネルでは、上部2つの「DISCOVERY:発見」「CONSIDERATION:検討・興味」をプル型、下部2つの「EVALUATION:評価」「CONVERSION:購買」をプッシュ型でアプローチするようにプランできます。オーガニック投稿となるプル型で、ターゲットユーザー視点と訴求したい商品やサービスの接点となる要素をコンテンツ化し、押しすぎない内容とタイミングで共有。その後、興味を示すような行動を取ったユーザーに向け、戦略的なブッシュ型のFacebook広告でアプローチし、購買へ繋げるという戦略を策定することが可能です。
海外ユーザー向けのFacebook運用に欠かせないプル&プッシュとファネルの戦略
海外ユーザーに向けたFacebook戦略・運用は、ターゲットユーザーを理解し、プラットフォーム内のデータを活用、マーケティング手法を組み込んだ運用で、より効果的に成果を得られることができます。海外という大きな市場でターゲットユーザーへより正確なアプローチを行うためにも、ぜひ、今回ご紹介した3つのポイントを参考にしてみてください!


効果的な海外向けFacebook広告の運用ポイントとは?

商品・サービスに合った広告種類の活用

Facebook広告は種類が豊富だからこそ、自社の商品やサービスの特徴を活かした広告フォーマットを選ぶことが重要となります。代表的なFacebook広告のフォーマットをいくつかご紹介します。

  • 画像広告:1枚のメイン画像とテキストとの組み合わせでユーザーにリーチできるフォーマットです。シンプルで印象がつきやすいため、特徴的なブランド力のあるアパレル商品などおすすめです。
  • 動画広告:最大240分の動画とテキストで、動的+テキストコンテンツで訴求ができるフォーマットです。動画は、ユーザーが見ているFacebookの画面上に表示されると同時に再生されるため、ユーザーの目に留まりやすく、商品やサービスの特徴を動的に伝えたい時におすすめです。
  • スライドショー広告:3〜10枚の画像を組み合わせることでスライドショーとして表示してくれる便利なフォーマットです。動画を持ち合わせていない場合でも、選りすぐりの商品画像がある場合、このフォーマットを活用することで、動的なアプローチを行うことが可能です。
  • コレクション広告:コレクション広告は、メインとなる1枚の画像または動画と、メイン下へ4枚の画像を表示できるフォーマットです。商品のブランドイメージが伝わるメイン動画と、詳細な商品画像を組み合わせることで、購買意欲を掻き立たせることが可能です。
  • カルーセル広告:画像と動画を2〜10枚(ストーリーズでは最大3枚)表示できるため、多様なコンテンツ戦略でアプローチ可能なフォーマットです。画像・動画それぞれにCTA(行動喚起)コピーやリンクを追加することができるため、1つの広告で一貫性のあるコンテンツを配信することができます。
  • ダイナミック広告:ユーザーが過去に興味を示した商品データを反映し、広告コンテンツを表示してくれるフォーマットです。コレクション広告のように様々な広告セットが作成できるため、ABテストで効果を検証をすることが可能です。

広告フォーマットはそれぞれ訴求方法に特徴があるため、ブランドのストーリーを伝えるのか、商品のデザインや機能性を伝えたいかなど、WHAT(何を)とHOW(どうやって)を明確にすることが不可欠です。また、国によって共感を生む伝え方は様々なので、前述したペルソナの調査・分析を行って上で、広告のコンテンツ戦略を策定することがポイントとなります。

KPIに適応した効果測定と広告改善によるPDCA

Facebookでは、広告マネージャーを用いて配信した広告のリーチやエンゲージメント、コンバージョン等の数値、そしてオーディエンスの詳細を閲覧できるため、KPI設定に沿った効果測定や、ビジュアルやテキストの広告改善に繋げることが可能です。予算がかかっているからこそ、戦略策定からの効果測定と改善となるPDCAを回していくような運用が大きな成果に直結してくるのです。

海外向けのFacebookの運用は、狙うべきターゲットユーザーの特性を知り、その分析をもとにプラットフォーム内の機能を活用していくことで、結果は大きく変わってきます。SNSの利用が世界的に当たり前となっている分、ビジネスで最大限に活用し、海外進出の成功に繋げていきましょう。

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