マテリアライズの成功事例:BtoB企業がリードを獲得する方法
クライアント詳細
業界 | 医療用3Dプリンティング技術 |
サービス | 3Dプリンティングソフトウェアおよびソリューション |
ターゲット市場 | 医療従事者、病院、および医療機器会社 |
目標 | オンライン広告を活用し、日本市場での有望なB2Bリードの数を増やす |
BtoBリード獲得プロジェクトの結果
プロジェクトの詳細
マテリアライズのメディカル部門は医療分野における3Dプリンティングの応用技術のパイオニアです。世界中で研究者やエンジニア、外科医や臨床医が革新的かつ一人ひとりに合わせたカスタム個別化治療を実現できるように、オープンで柔軟なソフトウェアとサービスのプラットフォームを提供しています。
デジタルツールを活用したリード獲得の戦略立案に向けて、マテリアライズメディカルのウェブサイトや主な提供サービス(3Dプリンティングソフトウェア)に加えて、医療従事者、病院、および医療機器会社などを含む、主要なターゲットのペルソナや意思決定者を徹底的に分析しました。
長期にわたる検討の結果、以下のプラットフォームを組み合わせて活用することにしました。
- Meta広告(Facebook内広告およびウェブサイトのリード獲得)
- Google検索広告
- Googleディスプレイ広告
- Twitter広告(現:X)
Always Onキャンペーンとオムニチャンネルアプローチの組み合わせにより、意思決定者のコンバージョンのための複数のタッチポイントの確立とリターゲティングを実現し、継続的にブランド認知やウェブサイトへの流入、有望な見込み客と「高い関心を示す反応」を増やすことに繋げることができました。
Meta広告を活用した質と量を最大化するリード獲得
Metaのリード獲得広告が今回の戦略の要でした。FacebookとInstagramにおける本キャンペーンによって、Metaのアプリ内だけでなく、マテリアライズメディカルのウェブサイトにおいても、非常に多くの有望な見込み客を獲得しました。
Metaのリード獲得広告では、FacebookやInstagramのアプリで直接入力可能なフォームを表示し、Metaプラットフォームに登録されたユーザー情報が自動入力されるようにすることで、ユーザーはワンクリックでホワイトペーパーのダウンロードやウェビナーへの申し込みができるようになりました。
この機能を最大限活かすために、弊社は以下の戦略を実行しました。
- リード獲得に向けた、クライアント提供の高評価な無料コンテンツの活用
- 短くも要点を抑えた、モバイルデバイスでも閲覧しやすいフォームの作成
- 広告のコピーとフォームの両方で無料コンテンツの価値を前面に押し出すことによる離脱率の低減
- マテリアライズメディカルのCRMとフォームを統合することによる、迅速なフォローアップとナーチャリングの自動化の実現
- ウェビナーやホワイトペーパー、ソフトウェアの無料トライアルなどに簡単にアクセスできる環境の構築
弊社は最適なターゲティング設定を特定するために、下記のようなMeta広告のターゲティング戦略を検証しました。
- カスタムオーディエンス(SNSアカウントにエンゲージしたユーザー、ウェブサイトと特定のページへの訪問者、ニュースレターのリスト、過去のカスタマーリスト)
- 上記をもとに作成された類似オーディエンス
- ビデオを視聴したオーディエンス(特定の部分まで動画を見たユーザーへのリターゲティングも実行)
- 興味・関心をベースに作成したオーディエンス(整形外科学、頭蓋顎顔面外科 、心臓血管、放射線医学など)
それぞれのオーディエンスに合わせて作成したクリエイティブ画像を使用したアプローチやテストの実施に加えて、パフォーマンスが悪い広告を徐々に取り除くことで、前年と比較し、一定期間以上運用した広告セット全体で、リードの獲得数を+479.34%増やすことができました(一番パフォーマンスが良かった広告セットでは、最大で1,388.24%増加しています)。
最も多くのインプレッションとクリック、リードを獲得したトップの広告セットでは、前年と比較して、平均のリード獲得コストを33.36%削減することができました。
一部の広告セットでは、リード獲得にかかるコストを最大63.76%削減できています。
キャンペーン予算の最適化(CBO)を使用することで、対象となる広告セットはMetaにより優先的に表示され、クライアントの広告費を全広告アカウント内で最も効率的に使用することができました。
マテリアライズメディカルとの連携により、9ヶ月間でリンククリック率を58.33%増加させることができました。
この結果の背景には、下記要因が挙げられます。
- FacebookとInstagramにおけるユーザーの目にとまる魅力的なクリエイティブ画像を選定するためのA/Bテスト
- 広告コピーに短い箇条書きの形式で無料コンテンツの魅力を盛り込むことによるユーザーの関心の引き出し
- 広告配置とターゲティング戦略のテストの実施、継続的なモニタリングによる低パフォーマンス広告の停止
TwitterとGoogle広告を用いたオムニチャネルアプローチ
日本のX(旧: Twitter)は、ビジネスや政治家さらには高年齢層など幅広い観客を持つ、米国に次いで2番目に大きい市場となっています。そのため、医療系B2Bの意思決定者という狭いニッチなターゲットの間で、効果的にマテリアライズメディカルのブランド認知度を高め、さらなる接点を作る上では最適な環境でした。
マーケティング戦略の効果を最大化するために、以下のようなTwitter広告のターゲティング技術を最大限に活用しました。
- カスタムリターゲティングオーディエンス
- フォロワーリストや手作業で選ばれた特定のTwitterアカウントに基づいて作成された類似オーディエンス
Twitter広告を展開していく上で、簡潔かつ要点を抑えたコピーを維持しながら、広告効果を最大化するために、画像や動画を含む様々なクリエイティブ画像を継続的にテストしました。また、Meta広告とTwitter広告の両方で、いくつかのメッセージングアプローチが高いパフォーマンスを示したため、運用中に得た知見とテスト結果を両プラットフォーム間で共有するように心がけました。
Google広告では、下記の通り、複数の要素に分けて戦略を実行しました。
- ターゲットとするキーワードのアイデアを継続的に得るため、また手作業で選定したキーワードを使ったキャンペーンで見つけられなかったものをカバーするための動的検索広告(DSA)の活用
- マテリアライズメディカルのブランドに対する興味を掴み、コンバージョンさせるためのブランド名との完全一致キーワードによるキャンペーン運用
- 検討段階にあるユーザーに向けて、Googleディスプレイ広告を活用したリターゲティングで追加のビジュアルタッチポイントを提供
このように広告を活用することで、SEOでは上位表示が難しいキーワードでも、検索結果の上位にページを表示することが可能になりました。また、MetaとTwitterで展開したSNS広告がユーザーの興味関心を喚起し、その後Googleの検索連動型広告を通じてこれらのユーザーを獲得することに成功するなど、プラットフォーム間での効果的なリード獲得を実現しました。
こうした複数のプラットフォームを連携させた戦略により、以下のような結果を出すことができました。
- 平均クリック率が前月比36%増加
- 平均クリック数が前月比25%増加
- ブランドキーワードに関する検索の表示比率*が67.78%増加
*ターゲットキーワードの検索数を100%とした際に、どれだけ自社の広告が閲覧されたかを表す数値
同様に、ブランドキーワード以外の広告で得られた結果は下記の通りです。
BtoB業界の平均と比較して、
- 240%低いCPCを実現
- 50%高い平均クリック率を実現
クライアントの成功に向けた全面的な取り組み
マテリアライズメディカルやその他のリード獲得施策を希望する顧客に対して、再現性と予測可能な結果を提供するために、弊社は下記の通り、成功に繋げるための汎用的に使える手順の構築や標準作業手順(SOPs)、プロジェクト成功に向けたチェックリストの開発を慎重に行いました。
- 全員が、キャンペーンや広告セット、広告の名前を把握し、迅速なテストやデータ分析を可能にする詳細な命名規則
- キャンペーン、広告セット、広告作成プロセスを支援するSNS広告のチェックリスト(上記参照)
- 広告コピーとクリエイティブの開発、確認、整理を効率化するための広告制作管理ツール
- その他多数
さらに、弊社のメンバーは、常に新しいリード獲得の施策やB2Bマーケティングの手法を取り入れるために、デイビッド・オグルヴィの『オグルヴィ・オン・アドバタイジング』を含む、様々なリソースを活用しました。
ここからは、弊社が各プロジェクトに対して適用している考え方や戦略の一部をご紹介します。
#1 | 広告は直接販売を成立させるためのものではなく、リードを惹きつけて営業チームが契約しやすくするためのものです。 |
#2 | BtoBの意思決定者は時間がないので、広告内で約束する内容は具体的にする必要があります。 |
#3 | パーセンテージ(%)、時間と節約された金額を表記します。 |
#4 | 専門家や認知度の高い企業からの推薦文を活用します。 |
#5 | デモは広告を見た人が貴社のプロダクトを競合と比較する上で、自分で再現できる場合に特に効果的です。 |
#6 | 新しい内容を公開する際に使う広告は、しっかりとその内容を強調すると高いパフォーマンスを獲得できる傾向があります。 |
#7 | B2Bの意思決定者がサービスを利用することでどれだけ時間を節約できるかを簡単に計算できる方法を示します。 |
#8 | 使用者が日常の仕事で活用できる有益な情報を共有します。 |
#9 | シンプルに保ちつつ、差別化を図ります。 |
#10 | サービスや製品が複雑な場合など、必要であれば長文のコピーを活用しましょう。 |
#11 | ほとんどのリードは、すでにサービスの使い方が明確に想像できているユーザーから来るので、広告にそれを反映させましょう。 |
#12 | 広告から得られた具体的な結果をもとに、リードとその質を分析しましょう。 |
#13 | 特定の広告を見たことに関連付けられたお問い合わせのサンプルを調査し、営業チームに質問しましょう。 |
#14 | 多くのビジネスでは経営層の承認が必要です。こうした意思決定者は主にコストと時間の節約に関心があるため、彼らを納得させるために幅広い利点に焦点を当てましょう。 |